前回は、どうしても掻いてしまう癖は4STEPを使って直せ! という話をしました。
今回は、習慣逆転法が掻いてしまう癖に効く、という研究1)を読んだのでその話。
習慣逆転法というのは、ある直したい習慣があったときに、それとは同時にできない習慣を新しく作ってしまう、というものです。
例えば、タバコを止めたかったら「タバコを吸いたくなったら代わりにガムを噛む」という習慣を作る。酒を止めたかったら「酒を飲みたくなったら代わりに水を飲む」という習慣を作る。
悪い習慣と拮抗する習慣を作るので、拮抗反応法とも呼ばれます。
研究では、参加者を2つのグループに分けて、一つのグループには「掻きたくなったら手をぎゅっと握る」という習慣をつけてもらうよう指示し、もう一つのグループは自分で新しく作る習慣を決めてもらったそう。
結果は、どちらのグループも1週目から2週目、3週目で有意に掻破行動が減少したそう (p < .001)。大体60回→20回くらい。また、掻破行動の抑制によるQOLの上昇も見られたそう。
2つのグループで効果に有意な差は見られなかったようなので、何か自分で良い拮抗反応を思いつけたらそれをやるのも良いかも。しかし、
選択群の参加者からは「拮抗行動の種類によって掻破行動の抑制に効果が実感できるものとできないものがあった」,「拮抗行動を選択するより固定した方が実践しやすそう」といった感想が得られた。これを踏まえると,必ずしも全ての選択群の参加者において様々な拮抗行動の実践が継続されていたとは考えられず,参加者によっては拮抗行動の選択傾向が固定されていった可能性も考えられる。
とのことなので、不安な人は 「痒くなったら握りこぶしを作る」という研究チームが用意した拮抗反応にしておくのが安泰ではないでしょうか。
是非この対策を、前回の4STEPと組み合わせて使ってみてください。