遂に筋肉がデカくなるメカニズムが解明されました。
みんな大好き筋トレですが、なぜ筋トレをすると筋肉がデカくなるのかは謎のままでした。
そこでケンブリッジ大の研究チームが調査を行った結果1)、筋肉が大きくなるのはチチンと呼ばれるタンパク質の働きによるものだと分かりました。
「超回復」は嘘
筋トレフリークの皆さん、「筋トレで筋肉がでかくなるのはなんで?」という質問に対して「筋トレで傷ついた部分が、前よりも多く回復するからだよ」という回答をするのは今日でおしまいです。
ケンブリッジ大学の研究チームは、いわゆる「超回復」という発想に対して、
「超回復で筋肉が大きくなる」というアイデアが間違っていることはいくつかの理由によって明らかである。例えば、「超回復」が起こって大きくなるのは結合組織だが、筋肉を大きくするには筋原線維の中のミオフィラメントを大きくする必要がある。 また「超回復」は、微小重力下やベッドの上で長く過ごしたあとの筋萎縮を説明できない。
とのコメントを残しています。要するに、確かに超回復はするけど、それによって大きくなる場所は筋肥大とは関係ないよ、ってことです。
ここらへんは高校生物をやった人には分かりやすいかも。そんな人向けに補足すると、ミオフィラメントは、筋原線維の中のミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの総称です。
これは驚きのコメントですよね。教科書、筋トレの指南書、トレーナーなどあらゆる情報源で「筋肉は超回復によって成長する」と言われてきましたから。この事実が社会に浸透するのには相当な時間がかかりそうです。
筋肥大のメカニズム
じゃあどうやって筋肥大するの? って話ですが、そこにはチチンというタンパク質が関わっています。
研究チームによると、筋肉に力が加えられたときに、筋肉に3番目に多く含まれる「チチン」と呼ばれるタンパク質がその形態を変え、チチンの隠れていた部分が露出するんだそう(ちなみにチチンより多く含まれているのはアクチンとミオシン)。
チチンのタンパク質分子は基本的に筋肉が伸びた時に形を変えますが、とある部分は収縮したときに変形します。そしてその収縮したときに現れる部分には、露出したときに「筋肉をデカくしろ!」という信号を放出するTKドメインというものが含まれています。
研究によると、筋トレの負荷とTKドメインの露出度は比例しており、TKドメインが長く多く露出すればするほど筋肥大の命令が多く出ます。だから筋トレをすると筋肉が成長するんですね。
まとめると、「筋トレをするとチチンが変形してTKドメインが露出し、そのTKドメインによって筋肥大の信号が発せられて筋肥大が起こる」ということです。
最適な筋トレの負荷
また同チームによると、最大負荷の70%で筋トレをすると、一番効率的にTKドメインが露出させることができるそう。
それ以下の負荷だとTKドメインがしっかり露出してくれないし、それ以上の負荷だと疲労が大きすぎて効率的が悪いらしい。疲労に見合った分のTKドメイン露出が見込めないってことです。
70%っていうのは意外な数字ですね。意外と少ない負荷での筋トレが一番効率的に筋肥大できるとは。超高負荷の筋トレを毎日やるのは身体的にも精神的にもキツいので、これは嬉しいですね。
70%って言われてもどれくらいか分からないよ! って方は「RM」という概念を知っておいてもいいかもしれません。
筋トレを習慣化したい方は、悪癖を直すついでにやってみたりif-thenプランニングを使ってみてはいかがでしょうか。
それでは、いい筋トレライフを。